賀川豊彦について
賀川豊彦

賀川豊彦(1888~1960)牧師・社会運動家

賀川豊彦は1888 年神戸に生まれました。 5歳の時に両親と死別し孤独な少年時代を送った賀川は、7歳の時に赤痢に感染してからというもの、何度も生死をさまようなど、 生涯病に苦しめられました。
1909 年12 月24日、賀川豊彦は病に蝕まれ余命いくばくもない体をかかえて、残された生涯を貧困に喘ぐ人々の救済にささげるため、 神戸のスラムに身を投じました。 これらの諸活動を担いながら、宗教、哲学、経済、社会、文明批評、随筆、小説等、多岐に渡る著作を発表しています。 代表作の小説「死線を越えて」は日本最初のベストセラーとなりました。 社会福祉事業、児童福祉事業、労働組合運動、農民運動、協同組合運動、無産政党樹立運動などに献身ました。関東大震災発生後には、東京本所にて、 罹災者救済やセルツメント事業に力を尽くしました。

賀川豊彦の業績
賀川豊彦の業績

1909 年から1923 年までの14 年にわたる神戸での活動は、福祉の向上を目指してキリスト教伝道にはじまり、労働運動、農民運動、協同組合運動(生活、農業、漁業、林業、医療、共済)、 平和運動、無産政党活動に発展しました。 その働きは、神戸に止まらず、関東大震災の救援を契機に日本全国に広がりました。
 豊彦は、福祉、教育、医療、生産、労働、協同組合、平和、人権、共生という、私たちの暮らしを支える根幹を築くことに、その生涯を捧げました。

賀川記念館について
賀川記念館

賀川記念館は、「隣保館」(第二種社会福祉事業:1963年に認可)です。(詳しくは事業内容をご覧ください!)
現在の賀川記念館2009 年に建てられたものです。
館内には、医療テナントや法人本部、友愛幼児園などもあり、連携しながら事業を行なっています。

<館内案内>
1 階社会福祉法人・学校法人イエス団法人本部 医療テナント
2 階幼保連携型認定こども園友愛幼児園
3 階幼保連携型認定こども園友愛幼児園 児童発達支援 くっく
4 階賀川記念館 日本基督教団神戸イエス団教会

賀川記念館
沿革
できごと
1895年 葺合区小野柄通7丁目に善隣幼稚園(後の友愛幼児園)が設立
1899年 葺合区磯上通6丁目に移転。
1907年 善隣幼稚園が吾妻通5丁目に移転。
1909年 12月24日、賀川豊彦が新生田川地区に移り住む
   
1935年 善隣幼稚園の2部(午後の部)を譲渡される。友愛幼児園としてのあゆみを始める。
1956年 賀川豊彦献身50年を記念して、イエス団発祥の地に賀川記念館を設立することを決議。
1960年 賀川豊彦召天。日本基督教団神戸栄光教会にて告別式。春日野墓地に納骨
1963年 第二種社会福祉事業「隣保館」として厚生省より認可を受け運営を始める。
旧賀川記念館完成。
弁護士、ソーシャルワーカー、精神医学ソーシャルワーカー、児童相談カウンセラー、家庭裁判所調査官などによる相談事業開始。
子ども会、スポーツクラブ活動、家庭クラブ開始。学習支援クラス(小学生を対象とした「補習教室」、中学生を対象とした「学習教室」)開始。
グループ・ワーク研究会発足
1964年 学童保育(現:二宮児童館吾妻学童保育コーナーひまわり)が神戸市第一号の学童保育として開始。地域に広がっていく。(1973年時点では神戸市内で13ヶ所のひまわり学級があった)
機関紙『ボランティア』創刊
納涼の夕、地区仲よし子どもクリスマス会、子ども会マラソン大会開始。
1965年 第一回バザー 青年クラブ結成社交ダンスクラブ発足。
1966年 吾妻福祉会を結成
青年学級(ペン習字、茶道、花道)開始。
吾妻ひまわり学級に賀川記念館より指導員を派遣する。天隣ひまわり学級開設(長田)
子ども会餅つき大会、新年子ども大会開始。
1967年 吾妻福祉活動の中から、老人クラブ・吾妻ときわ会が結成される。
青年学級(速記科)開始。
無料法律相談所開設
1968年 ボランティア懇談会開始
1969年 青年学級(速記科)中止。
天隣あひるの会(学習教室)発足
同和問題研究会発足
1970年 ボランティア講座(ボランティア懇談会からの発展的展開)
青年学級(手芸科)開始。
子ども会廃品回収活動開始
地域住民運動会開催(第1回)
地域調査実施(第1回)
堀木訴訟起こす。
学童保育増設運動
1971年 天隣あひるの会、天隣ひまわり学級事業終了(以後水木小学校にて存続)
1972年 老人憩いのひろば設置(吾妻6丁目)
堀木訴訟最終公判。堀木訴訟意見判決。堀木訴訟控訴審。
1973年 賀川記念教育キャンプ場開設(淡路島)
1974年 フォークソング同好会、空手同好会発足。
1975年 堀木訴訟裁判決
1976年 第1回ボランティアOB会
1977年 学童保育に障がい児を受け入れる。インクルーシブ保育!
青年クラブ休止。
1978年 老人給食サービス開始。神戸市第一号。のちに全市に広がる。
1980年 吾妻福祉会、吾妻婦人会、吾妻小学校PTAなどとともに「調理場付き老人憩いの家」設置運動が成功し、地域に市立「吾妻老人憩いの家」が設置される。
1982年 編み物教室閉講
1983年 「灘神戸生協・ともしびグループ」による学童保育時のためのおやつボランティア開始。
済生会病院准看護学校の学生がクラブ活動のボランティアとして参加
1985年 編み物教室再開
1989年 生誕100年記念碑建築。
1991年 運営理事会にて、特別養護老人ホーム設立を決定する。設立準備室をもうけ募金を開始する。
1994年 地域の諸団体を結集して「吾妻ふれあいまちづくり協議会」設立。
「老人いこいの家」を発展的閉鎖し、「市立吾妻地域福祉センター」が設置される。
1995年 阪神淡路大震災。「賀川記念館救援対策本部を設置し、全国からのボランティアの協力を経て救援活動にあたる。
1996年 かがわオモニハッキョ(在日高齢者識字学級)開講。
トゥモロー会(障害がある青年の余暇支援)発足。
日暮通5丁目に特別養護老人ホーム「真愛ホーム」「東部高齢者介護支援センター」完成
1997年 イエス団本部、真愛ホーム、友愛幼児園、神戸イエス団教会とともにイエス団地域福祉協議会を結成。
1999年 東川崎高齢者ケアセンター開設。
イエス団憲章。
2004年 知的障がい児放課後活動支援事業「放課後クラブくじらぐも」開設
二宮児童館運営開始
ボランティアOB会再開
震災復興支援として行われていたコープこうべの給食サービスが終了。
2005年 知的障がい児タイムケア事業開始
イエス団地域福祉協議会に二宮児童館、法人本部が加わる。
2006年 神戸市の「日中一時支援事業(障害児タイムケア)事業となる。
賀川豊彦講座開始
二宮・小野柄児童館カフェ(「二宮・小野柄ふれあいネット」)開設
2007年 多機能型居住介護「ゆうき」開設
2008年 旧賀川記念館閉館。友愛幼児園、ひまわり学級が仮園舎での保育を開始
2009年 イエス団ミッションステートメント2009
新賀川記念館完成。友愛幼児園が新園舎での保育を開始する。神戸イエス団教会の礼拝が新礼拝堂にて開始。
ESDシンポジウム開催
語り部第1期
2010年 ミュージアム、総合研究所、天国屋カフェが開始。
賀川記念館バザーが「賀川記念館フェスティバル」として再始動。
賀川記念館総合研究所リーダーシップ要請連続研修会開始
賀川豊彦献身100年記念事業記念式典・記念講演会
「賀川賞」開始
2011年 東日本大震災復興支援
2012年 児童発達支援事業「くっく」開設
2013年 語り部第2期 外国にルーツを持つ子どものためのプレスクール、外国にルーツを持つ子どもの学習支援教室「はいず」開設。
2015年 「放課後クラブくじらぐも」が「放課後等デイサービス くじらぐも」としてスタートする。
2017年 友愛幼児園が幼保連携型認定こども園となる。
学童保育ひまわりが「二宮児童館吾妻学童保育コーナー」となり、コミスタ神戸へ移転となる。
2018年 港島児童館指定管理
天国屋カフェ10周年記念プロジェクトRainbow Project」開始。『性はグラデーション〜わたしの性〜』発刊。
2019年 二宮保育園民間移管。
2020年 語り部第3期
社会福祉法人イエス団について
社会福祉法人イエス団

イエス団は、イエスキリストの生き方に従い、その生涯を最微者(いと小さき者)のために捧げられた賀川豊彦によって創設されました。
未来の社会を築くのは子どもたちだと保育の大切さを唱えられ、保育園をはじめとした児童施設や、ハンディキャップをもった人たちの福祉施設、また老人施設まで幅広い事業を展開し、 現在では関西圏を中心に40の施設で活動を進めています。

イエス団憲章

私たちは賀川豊彦献身90年にあたりここに憲章を定める
賀川豊彦は1909年12月24日に
当時の社会矛盾からくる社会悪とたたかい、
最微者(いと小さき者)に仕えるために事業をおこし、
多くの賛同者にまもられ今日に至った。
そこで21世紀を生きる私たちイエス団に連なる一同は、
イエス・キリストの贖罪愛に触れ、
それを実践することを終生貫き通した
賀川豊彦の精神を引き継ぐものである。


一、私たちは、賀川豊彦が実践したsettler(地域に生きる人々と共に歩む者)の精神を引き継ぐ。
一、私たちは、自立と相互扶助を目指した開拓的・実験的事業の精神を引き継ぐ。
一、私たちは、地域を越え、国境を越えて共に生きる平和な世界の実現に努めた精神を引き継ぐ。

ミッションステートメント2009

わたしたちイエス団の実践は、
1909年12月24日の賀川豊彦の献身に始まる。
そして、イエスの愛に倣い、
互いに仕えあい、社会悪と闘い、
新しい社会を目指して
多くの協働者とともに今日まで歩み続けてきた。
この歴史を検証し、働きを引き継ぎ、
今、わたしたちはイエスに倣って生きる。


わたしたちは、いのちが大切にされる社会をつくりだす
わたしたちは、隣り人と共に生きる社会をつくりだす
わたしたちは、違いを認め合える社会をつくりだす
わたしたちは、自然が大切にされる社会をつくりだす
わたしたちは、平和をつくりだす