賀川記念館

一人は万人のために、万人は一人のために

大宅壮一「噫々賀川豊彦先生」

明治、大正、昭和の三代を通じて、日本民族にもっとも大きな影響を与えた人物ベストテンを選んだ場合、その中に必ず入るのは賀川豊彦である。
西郷隆盛、伊藤博文、原敬、乃木希典、夏目漱石、西田幾太郎、湯川秀樹、などと云う名前を思いつくままあげてみても、この人たちの仕事の範囲はそう広くない。
そこへ行くと我が賀川豊彦は、その出発点であり、到達点でもある。宗教の面は云うまでもなく、現代文化のあらゆる分野に、その影響が及んでいる。
大衆の生活に即した新しい政治運動、組合運動、農民運動、協同組合運動など、およそ運動と名の付くものの大部分は、賀川豊彦に源を発していると云っても、決して云いすぎではない。

大宅壮一:賀川豊彦について